City Echo
CONCEPT
幼い頃、お台場が見渡せる下町に暮らしていました。当時何かを念じたり、想ったりしながら夜景を見ると、遠くの光が応えてくれたような、そのような気持ちになったことを覚えています。それは単なる勘違いではありますが、イルミネーションの色彩や、窓の光のちらつき、航空障害灯の明滅、それらの光が、私に強いつながりを感じさせてくれたことは事実です。それは例えるならば、都市における“やまびこ”のようなものかもしれません。私がお台場という土地や風景の光へ唱えたように、あなたも唱えてみて欲しいと思います。宙に浮かぶ、何かが、あなたの何かに反応していると想像してみて欲しいと思います。土地や風景が応えていると感じる瞬間があるということは、あなた自身の何かに、あなたが応えていることと同義であると思うからです。
この作品は私の原風景の再現そのものであり、私というフィルターを通して観客と都市をつなげる表象を生み出す装置です。
REPORT 街の喧騒から少し離れた場所にある「夢の広場」は、夜になると灯りも少なく静かに佇んでいます。近くを走る湾岸道路や首都高湾岸線の車の騒音よりも、芝生で鳴くコオロギの声の方が大きく聞こえ、何となく郷愁さえ感じる空間です。本作は、その郷愁あふれる空間に、宙に浮かんだ二つの黒いバルーンにライトを吊るしたもの。夜空に溶け込んで見えるバルーンは、風と地上のスタッフのロープの操作で不規則な動きをします。吊るされたライトは昔の裸電球のような光で、明るさを変えたり、点滅したり、不規則にゆらぎ、こちらからの問いかけに応えているように感じます。夜の都市の風景と、観客をつなぐ印象的な一晩限りのインスタレーションでした。
開催期間:2022年9月25日
PROFILE
空間ディレクター/デザイナー。空間デザイン会社を経て独立後、都市開発や商業環境に特化した空間デザイン業務に従事。その経験は、個人的なプロジェクトに大きな影響を与え、空間への拡張性を重視した独自のプロセスを形成している。自然風景や素材、現象など、様々なプリミティブな要素からインスピレーションを受け、その共通項である「時間」や「動き」といった流動性のあるテーマを探求している。
2017年「PIXEL」、2021年「hymn」をはじめとする発表作品で多くの受賞歴があり、過去5年間で日本をはじめ、イタリア、アメリカ、ブラジル、中国など各国で作品を発表。空間領域から拡がる幅広い分野での活動を続けている。武蔵野美術大学卒業。京都芸術大学非常勤講師。
https://www.hirotoyoshizoe.com/
CONCEPT
思いついたものを心に留め、声と色をのせて形を変化させていく時間はワクワクがいっぱいです。出来上がるまでの過程が何より大切な時間。ときにひとりで、ときにふたりで、ときにみんなで、こどももおとなも一緒に。小島聖と平松麻が始めた声と色の実験室。
この場所になじみのある人だけでなく、さまざまなバックグラウンドを持つ人々が、臨海副都心の地で集い、一緒に「作る」ことで新しい価値観に触れられます。この場所で語られる声を聞いて、そこから感じる世界を一人一人が自由に描きます。最後にその絵を集めて紙芝居にして、この場所でしか作られない物語が完成します。
【"声"の展示(朗読の展示)】
ワークショップでは、物語を語る「声」から絵を描き、紙芝居を完成させます。 そこで完成した紙芝居の朗読は、「"声"の展示」として夢の広場から聞くことができます。 おとなもこどもも、みんなで作り上げた紙芝居。みなさんはどんな世界を想像するでしょうか。
【オンライン紙芝居】
イベント終了後には、実際にワークショップの中で完成した紙芝居を、オンラインで鑑賞することができます。 紙芝居の物語を語られた「声」と、描かれた「色」をご自宅でもお楽しみください。
午前の部
午後の部
【ドキュメント映像】
当日のワークショップの様子や、俳優の小島聖さんと、画家の平松麻さんのお二人にも「おもいつきの声と色」の活動についてお話を伺いました。 ワークショップの中で紙芝居を作り上げる人々の賑わいや、温かさが自然と感じられます。
REPORT 「おもいつきの声と色」は、最初に小島さんが参加者の子どもたちに、少し長い物語をゆっくりと朗読します。それを聞き終えた子どもたちに画用紙を手渡し、いま聞いた物語の中でいちばん心に残ったシーンを絵具を使って自由に描いてもらいます。物語に登場した猫を一生懸命描く子、黄色い実を画用紙いっぱいに描く子…、「声」によって伝えられた物語は、子どもたちの頭や心の中で様々な色や形に花開きます。平松さんは子どもたちの絵を見ながら「かっこいいねー」とアドバイス。お母さんやお父さんも手伝いながら絵を完成させていきます。完成した絵を小島さんと平松さんがもともとあった物語の紙芝居の絵と交換したり、付け加えたりして紙芝居を再構築。子どもたちが描いた絵が活かされた、世界でたった一つの紙芝居ができあがりました。
開催期間:2022年9月19日
PROFILE
近年、映像作品に出演する一方、舞台役者としての評価も高く、話題の演出家の舞台に多数出演し、新たな魅力を発揮している。また著書に「野生のベリージャム」がある。
https://hijirikojima.com/
PROFILE
油彩画をメインに展覧会での作品発表を軸に活動する。自身の体内に実在する景色を絵画にし、「雲」をモチーフに据えた心象風景を描く。雑誌・書籍・新聞などの挿画や執筆も手がける。
http://www.asahiramatsu.com/
CONCEPT 臨海副都心エリアのパブリックアートの形・色をモチーフにしたスタンプでつくる缶バッジと、色とりどりの紐を組み合わせてオリジナルデザインのバッグチャームを創ります。出来上がったチャームと一緒にオーバースケールオリジナルトートバッグもプレゼントいたします。
REPORT
このワークショップでは、臨海副都心のパブリックアートにもっと親しんでいただくことを目的に、13カ所にあるパブリックアートにちなんだ色の水引(飾り紐)を使ってオリジナルのバッグチャームをつくります。期間中、延べ4日間8回のワークショップを開催しました。
バッグチャームの作り方はとても簡単で、何十色もある水引の中から好きなものを選び、束ねたり、編んだりして輪をつくります。輪が出来たら、今度は輪に取り付ける缶バッヂの制作に取り掛かります。グラフィックデザイナーの小熊千佳子さんがデザインしたパブリックアートをモチーフにしたスタンプを、好きな色の台紙に押して、缶バッチマシーンでオリジナルの缶バッヂに加工して輪に取り付けます。出来上がったバッグチャームはアートフェスティバル公式のトートバッグに付けて参加者にお持ち帰りいただきました。
開催期間:2022年9月19日、23日~25日
PROFILE
アートディレクター・グラフィック デザイナー。
グラフィックデザインを基軸に幅広く活動。形として見える化することで、場や物や人が良い方向を向ける。 そんなグラフィックを目指し創作を行う。またLittle Book Label YOU ARE HEREとして出版活動も行う。
Facebook
企画・運営
特定非営利活動法人アート・コミュニケーション推進機構(略称:PARC)は、東京都美術館と東京藝術大学の共催事業「とびらプロジェクト」において、アート・コミュニケータ(愛称:とびラー)としての3年の任期を終えた有志が集い、その経験を各々の地域に持ち出してアート・コミュニケーション活動を継続するために立ち上げた任意団体「アート・コミュニケータ東京」を基盤としています。
人びとの心の豊かさを育むアートを介した対話や創造の場が社会に必要だと考え、それを支えるアート・コミュニケータの活躍の場を広げるための活動をしています。
CONCEPT 乗り物の原点・人力車をワークショップの作品で彩り、時代を超えた「ART JINRIKISHA」を生み出します。廃材やリユース素材などの材料をつかって、参加者の発想やアイデアで羽のアートをつくります。ワークショップの最後には、つくった羽を人力車に取り付けて装飾します。完成後は屋外で試乗体験ができます。
REPORT
「ART JINRIKISHA」は、ワークショップで子どもたちが翼のアートを作成し、それを人力車に取り付け、完成した「ART JINRIKISHA」を夢の広場、夢の大橋で展示と体験試乗を行う2部構成のプログラム。
ワークショップでは、子どもたちが翼に必要な羽根のアートを作成しました。使い残しの和紙や色紙、さまざまな素材を型紙に合わせて羽根の形に切り抜き、紙ストローに木工用ボンドで貼って羽根のアートをつくります。最初はシンプルな羽根をつくっていた子どもたちも、次第に発想の翼を拡げて様々な素材を組み合わせ、世界にたった一枚しかない美しい羽根を作り上げました。最後に出来上がったたくさんの羽根を翼の形状のオブジェに貼り、カラフルな翼が完成。子どもたちの様々な個性や創造性が集まった翼を人力車の車体に取り付け「ART JINRIKISHA」が完成しました。
体験試乗では、一般の方たちやワークショップに参加した親子たちが「ART JINRIKISHA」に試乗を楽しみました。この素敵な光景に出会った公園を散歩する人たちは思わず立ち止まり、にっこりと微笑んでいました。
企画・運営
イロハネはこどもでも大人でも、また障害の有無を超えて誰でも取り組める創作・表現の場をつくることを目的とした活動を行っています。
人が羽根を思うとき、心に自由や開放のイメージが生まれます。様々な素材と誰もが作れる作り方で、自分のための憧れをのせた「羽根」をつくります。やがて「羽根」が集まり生まれる一体感は「翼」となって新たな表現の風を届けていきます。イロハネは誰でも参加できるアートのワークショップです。
東京藝術大学の履修証明プロジェクト「Diversity on the Arts Project」(愛称:DOOR)※から生まれました。
※Diversity on the Arts Project (通称:DOOR)=「アート×福祉」をテーマに「多様な人々が共生できる社会」を支える人材を育成するプロジェクト
人力車提供
時代屋は浅草で初めて人力車を走らせた人力車のパイオニアです。以来25年間、人力車のみならず着物レンタル、茶道、和菓子作り、居合道などの日本文化体験を提供し、観光地浅草の活性化に貢献しています。
環境にやさしい究極のエコカーである人力車を通じ、歴史の伝承と地域文化遺産の保護・保存にも協力しています。人力車は原則として新車を導入せず、現有の老朽人力車や中古人力車を修理・再生することで持続可能な観光産業の発展に寄与しています。
車いすの方が安全、かつ、手軽に人力車を利用出来る人力車専用のスロープ「バリアフリーリキシャステーション」を開発し、誰もが永く住み続けられる町づくりを目指しています。
CONCEPT
なかなか外出ができない方々に遠隔でアートの魅力を共有するツアーです。
コミュニケーターが現地の会場をめぐり、分身ロボットOriHimeを通じてオンラインで映像をお届けします。参加者は専用アプリ/ブラウザからOriHimeの操作をすることができます。コミュニケーターから作品の魅力をお伝えしたり、参加者と対話をしながらアートについて想いをめぐらせます。
REPORT
分身ロボットOriHimeは、カメラ・マイク・スピーカーが搭載され、インターネットで操作できる分身ロボットです。入院していたり、単身赴任をしていたり、行きたい場所に行けない人の代わりに映像、音声、身振りでその場にいるようなコミュニケーションを実現できます。
参加者はインターネットにつながったパソコンやタブレットを使って離れた場所からツアーに参加。現地ではスタッフがOriHimeと一緒に参加者と会話をしながら約1時間にわたって会場を歩き、アートを鑑賞しました。パソコンのブラウザでは、オンライン会議のようにカメラの映像を観ながらスタッフと会話ができ、うなずく、手をあげる、手をひろげる、拍手をするなど様々な身振りを使って感情を表現することができます。首も左右に振ることができるので、自分が見たいものを見ることができるため、身振りを加えることでスタッフとの会話も実際の会話に近い感覚でコミュニケーションできると評判でした。
子育てや単身赴任・入院など、距離や身体的問題によって行きたいところに行けない人のもう一つの身体、それが分身ロボット「OriHime(オリヒメ)」です。
OriHimeは、生活や仕事の環境、入院や身体障がいなどによる「移動の制約」を克服し、「その場にいる」ようなコミュニケーションを実現。
カメラ・マイク・スピーカーが搭載されており、インターネットを通して操作できます。 「移動の制約がなければ行きたい場所」とOriHimeをインターネットでつなぎ、周囲を見回したり、聞こえてくる会話にリアクションをするなど、あたかも「その人がその場にいる」ようなコミュニケーションが可能です。
企画・運営
特定非営利活動法人アート・コミュニケーション推進機構(略称:PARC)は、東京都美術館と東京藝術大学の共催事業「とびらプロジェクト」において、アート・コミュニケータ(愛称:とびラー)としての3年の任期を終えた有志が集い、その経験を各々の地域に持ち出してアート・コミュニケーション活動を継続するために立ち上げた任意団体「アート・コミュニケータ東京」を基盤としています。
人びとの心の豊かさを育むアートを介した対話や創造の場が社会に必要だと考え、それを支えるアート・コミュニケータの活躍の場を広げるための活動をしています。
CONCEPT
赤ちゃんや小さなお子様と家族が一緒にアートに触れる機会をつくる、ご家族単位で参加いただけるツアーです。
コミュニケーターが寄り添いながら現地の会場を巡り、おしゃべりを楽しみながら作品を鑑賞します。
*プログラム実施中はベビーとめぐるツアー参加者のための貸し切りバスをご用意しています
REPORT 夢の広場のエントランスに事前にお申し込みのあった赤ちゃん連れのご家族とコミュニケーターが顔合わせ。夢の広場で展示されている「Territory Gone Wild 野生のテリトリー」を見ながら雑談をして、お互いが打ち解けてから石と光の広場へ移動し、後藤映則さんの「Heading」の展示を鑑賞しました。コミュニケーターから作品の説明を聴いたり、赤ちゃんと一緒に記念写真を撮ったり、ゆっくりとアートを満喫していただきました。花の広場にあるレアンドロ・エルリッヒさんの作品「THE PRINT – 痕跡」のグリーンで囲まれた迷路の中では、赤ちゃんも気持ちが良かったらしく手足をばたばたさせて喜んでいました。赤ちゃんがぐずって泣き出すかが心配で美術館などに出かけることをためらっている育児中のお母さんやお父さんも、気軽にアートを鑑賞していただけるプログラムです。
企画・運営
特定非営利活動法人アート・コミュニケーション推進機構(略称:PARC)は、東京都美術館と東京藝術大学の共催事業「とびらプロジェクト」において、アート・コミュニケータ(愛称:とびラー)としての3年の任期を終えた有志が集い、その経験を各々の地域に持ち出してアート・コミュニケーション活動を継続するために立ち上げた任意団体「アート・コミュニケータ東京」を基盤としています。
人びとの心の豊かさを育むアートを介した対話や創造の場が社会に必要だと考え、それを支えるアート・コミュニケータの活躍の場を広げるための活動をしています。